──二対一か。分が悪いわね。でも、なんとかなるわ。

 アイリスは素早く周囲に視線を走らせて剣の代わりになる物を探し、近くに置いてあった(ほうき)を手に取って構えた。

 男のひとりがアイリスを見下ろして「ふんっ」とせせら笑う。

「なんだ。追いかけてくる気配がしたから逃げたら、ただのガキじゃねえか。ガキは大人しく家で寝てな」

 次の瞬間、男は拳を振り上げて殴りかかってきた。