崖っぷち令嬢が男装したら、騎士団長に溺愛されました

 アイリスは嬉しそうに破顔すると、「これにします」とレオナルドに髪飾りを差し出す。普段は滅多に崩れないレオナルドの表情が、その瞬間優しく緩んだ。

 ──いいのか? 本当にそれでいいのか!?

 カール的には婚約記念品を選ぶ理由が『護身の武器になるから』というのは絶対に違うような気がする。
 けれど、本人達が満足しているならそれでいいのか。

「……変なカップル」

 カールは、思わず独りごちる。
 けれど、見つめ合う二人の様子から、相思相愛で幸せそうであることは感じ取った。

「なんにせよ、おめでとう」

 恋模様は十人十色。
 心から愛せる女性と知り合えた友人の幸運に、カールは心からの祝辞を贈ったのだった。

〈了〉