「任せておけ。俺がとびきりの店を厳選しておく」

 カールは胸に手を当て、力強く頷いた。


    ◇ ◇ ◇


 よく晴れた昼下がり、王宮の一室には色とりどりの髪飾りが集められていた。
 その数、ざっと数百点を超える。どれも皇后であるリリアナ妃も愛用している皇室御用達の、名だたる宝飾品店の逸品ばかりだ。

 精緻な金細工、洗練されたデザイン、惜しげもなくはめ込まれた宝石……。
 年頃の令嬢であれば、誰しもがうっとりするだろう。

「アイリス、好きなのを選ぶといい」

 レオナルドにそう言われたアイリスは、おずおずとそれらの髪飾りを覗き込む。