「踊ろうか?」

 シャンデリアが煌めく会場の入り口の前で、ずっと憧れていた人がこちらに手を差し出す。

「はい、よろこんで」

 ──だって、私の行く先はこんなにも明るく輝いているのだから。

 アイリスは花が綻ぶような笑みを浮かべ、そこに手を重ねた。

〈了〉