「気の毒だとは思いますが、私にはもう関係のないことです」
「そうか。では、知らせるまでもなかったな」

 アイリスが泣くとでも思っていたのか、レオナルドはホッとしたような表情を見せると両手でその書類の端を持つ。

 ビリビリと紙を破く音が室内に響く。
 小さくなった紙片が、まるで花びらのように床に舞い落ちた。