次の攻撃はすぐだった。
 息つく暇もなく剣が飛んできて、アイリスは自分の剣でそれを受け止める。重い太刀筋にビリビリと両手がしびれたが、それを横に避けて部屋の角に背を預けた。

 壁が邪魔で思うように剣が振るえないグレイルが、「チッ」と舌打ちした。アイリスはその一瞬の隙を衝いて反撃の剣を振るう。避けたグレイルの制服のボタンがひとつはじけ飛んだ。

「止め」

 落ち着いた声が室内に響き、グレイルは何事もなかったように自らの剣を鞘にしまう。アイリスは何が起こったのかわけがわからず、呆然と二人を見返した。

「どうだ?」

 レオナルドが片眉を上げ、グレイルを見つめる。