レオナルドは表情を険しくして、アイリスを見つめる。

「作戦変更の知らせは誰から受け取った?」
「第一師団のセリアンです」

 アイリスは昨日に起こったことを一通りレオナルドに説明した。レオナルドは眉間に皺を寄せたまま、考え込むように額に手を当てる。

「話はわかった。では、最後にひとつ聞こう」

 レオナルドは茶色い瞳で射貫くようにアイリスを見つめる。

「なぜ男の姿で騎士団に入った? ディーン。いや、アイリス嬢と呼んだほうがいいか?」

 アイリスはひゅっと息の呑む。

 医務室に運び込まれたのだから、多くの人に体を見られた可能性は予想していた。
 団長であるこの人に、真実が伝わらないはずがないのだ。