カツカツとアイリスのいるベッドに歩み寄ると、アイリスを見下ろした。

「加減はどうだ?」
「だいぶよくなりました。ご迷惑をおかけして申し訳ありません。助けて頂き、ありがとうございます」

 アイリスはベッドの上で、ぺこりと頭を下げる。

「団員が怪我をしていれば助けるのは当然だ。加減がよいなら、よかった」
「あの……、カインは?」
「隣の部屋にいる」

 レオナルドはそれだけ言うと、アイリスのベッドの前にある椅子にドサリと座る。

「ひとつ確認させてくれ。あのとき、なぜ事前の作戦通りに動かなかった?」
「……? 直前に、作戦変更の知らせを受け取ったのでその通りに動きました」
「なんだと?」