カールの仕事は早かった。
 依頼した一週間後にはコスタ子爵家に関するありとあらゆる情報を調べ上げ、レオナルドの元へと持ってきた。

 レオナルドはその報告書を読みながら、額に手を当てる。

「ディーン=コスタは病に伏せっているということで間違いないんだな?」
「俺も信じられなくて再調査したが、間違いない。ディーン=コスタはコスタ領にいる」
「では、あのディーンは……」
「間違いなく、姉のアイリス=コスタだろうね」

 カールから渡された報告書には、ディーンが別人であることはほぼ間違いないという事実がつらつらと書かれていた。