キーンコーンカーンコーン

彼が帰ったと同時に授業終わりのチャイムが鳴った。

クラス全員パニック状態。

お礼、言いに行かなきゃ。

ガタっと立ち上がって彼を追いかけた。

「あ、あの!」

追いついたのは校門近くだった。

走るだけじゃなくて歩くのも早い。

「靴!ありがとうございます」

ゆっくり振り向いた彼はまたも王子スマイルで

「全然。あの中にある紙、俺の電話番号だから。」

そ、そんなレアなものを…

「またかけてきてねー。君だけ特別に教えるから流出厳禁な。」

「あ、はい!」

私だけ、特別?

「じゃ」

そういって青い車に乗り込む佐倉さん。

佐倉さんらしい車だな、と思った。

そのあとクラスメイトと葵から質問攻めされたのは言うまでもない。