「そうそう。昨日言ったじゃん、新しいの買って返すねって」

あぁ、そんなことも言っていたような…

ってあれ本気だったの!?

「あ、でもサイズが合うかどうか…」

そう言いながらひざまずいて私のシューズを脱がす彼。

え、いやいや今ここではくの!?

脳内パニック中なので抵抗もせずなされるがまま状態。

袋からヒールを出しはくと

「お、ピッタリ」

あらふしぎ。ピッタリじゃありませんか。

なんでサイズ知ってるんだろう。

ちょっと佐倉さんが怖く思えてきた。

王子様スマイルで私を見つめてくる彼。

その時、ほんの少しだけどドキッとした。

ヒールを元に戻して立ち上がった彼は

「お邪魔しましたー。」

と颯爽と帰っていった。