「なんで嘘ついたの?」

通話が切れた瞬間話しかけてくる佐倉さん。

誰のせいだよ!

「まあいろいろありまして…」

「この後暇?一緒に靴買いに…」

「大丈夫です。では失礼します。」

鞄を背負ってヒールの折れたピンをもってペコっとお辞儀してからその場を去る。

「なにあの子。おもしろい」

そう小さくつぶやいた一言は綾乃には届かなかった。