そこにはいるはずのない佐倉優麻さんが…

「しーっ!声が大きいよドジ子!バレるでしょうが」

ああそっか

お忍びで来てるんだ。

っていうかドジ子って私のことだったの!?

ひっど!ドジ子じゃないし!

「ど、どうしてここに!?」

「家から近い映画館ってここだから。それにこの映画お気に入りなんだよね」

あぁなるほど。

なんだろう、周りがざわざわしてきた気が…

「え!あれって佐倉優麻じゃない!」

「うそ!ほんとだ!やばいイケメン」

どんどん私たちの周りに人が集まってくる。

やばいよ、これ…

「あちゃーバレちゃったねー。走れる?」

え、私?

「まあはい…」

パシッ

ちょ、えええええええええええええええ?

次の瞬間手を握られものすごいスピードで連れていかれる。

いやいや誘拐ですよ?

足はっや

後ろからキャーという黄色い声が聞こえてくる。