そして日曜日。

「綾乃―、お待たせー」

玄関の扉を開けるとカッコいい格好をした葵が待っていた。

女の私でも惚れてしまうぐらいカッコいい。

「じゃあーいこっか」

家が隣っていいよね。

ちなみに私はお姉ちゃんや葵と違って低身長なのでストリート系の服装に長い髪を巻き巻きしていかにも女の子
らしい格好をしている。

「うわぁ~混んでるねぇ。さすが優麻君だわー」

何とか席は取れたもののどこを見ても人、人、人…

「こんな人に綾乃はハグされたんだね」

まだ覚えてたんかい

いい加減忘れてー

というか声大きいって!

「もうやめて…」

けらけらと笑う葵。

一生言われそうだな

映画館の席について暗くなるのを待つ。