パニックを通り越して固まる。

「ほんとに大丈夫?保健室いかなくて大丈夫?」

だ、大丈夫れす…

口がうまく動かない。

「監督。本人も大丈夫って言ってるんですし再開しましょう。押してるんですよね?」

「お、おぉ。じゃあもう一回最初からー。準備してー」

皆さんそれぞれの持ち場に戻る。

私も立ち上がって戻った。

今度はこけないように集中しよう。

「テイクツーいくよ。よーいアクション」

同じカチッという音で始まった演技。

今度はこけないように。慎重に、慎重に。