地面に打ち付けられる覚悟をして体に力を入れたけど衝撃は来なかった。

「うぉっと…危ない」

やわらかい感覚に包まれた。

ま、まさか私…

恐る恐る顔を上げると

「大丈夫?」

まさに王子様のスマイルが私に向けられている。

私、佐倉さんの腕の中にいる。

脳内の思考回路が停止した。

やっちまった…

「カットカーット!綾乃ちゃん大丈夫?」

「は、はひ…」