雲一つない青空、私の学校が見える
河川敷の近くの小学校だ
【 芽生小学校⠀】
今日は卒業式。
みんな、晴れ晴れとした顔で学校の門をくぐって行く。
何故、みんなはあんなに笑顔でいられるのだろうか。悲しくはないのだろうか。
私は、遠くから学校を見つめる。
小学生のままが良かった。
中学生なんかになりたくなかった。
だって、私が行く中学校は私立。
同級生の子はみんな小学校にくっついている中学校に行ってしまう。
別に、いつでも会えるわけじゃないから。
こんなに悲しいのは私だけなの…?

「おはよう!」
「おはよう〜」
「わぁ!美波の服可愛いねー」
「ありがとう。これ、このまえ買ってもらったばかりなんだ!」
「今日が卒業式なんて信じられない!」
「ほんと!でも、美波とは同じ中学校だから関係ないよ〜」
「そうだねー」
「うんうん!これからもよろしくね〜」

「百合愛さん、おはよう。」
「おはようございます、先生。」
「どうしたの?何かあったの?」
「あっ……」
「親は?」
「えっと、その、お父さんは急用で来れなくて、お母さんは仕事の事情であとから来ます。」
「そうなの…百合愛さんの親は忙しいのね。じゃあ、友達のところで待っててちょうだいね。」
「は、はい!」
悲しいな…
でも、くよくよしちゃいけないことなんて分かってる 。
そうだ!
卒業式は、美波と晴香と一緒に終わらせたい!
百合愛は、美波と晴香を探しに行くことにした。
最後まで明るくいなきゃね!
本当はものすごく悲しいけれど…