「じゃあ、実行委員は前に出て出し物について決めてくれ」


「はーい」


美桜はすっと立ち上がり前に出る。武島くんもそれに続いた。


あくまでも私はサブだし、座ったままでいよ…
男子のもう1人の実行委員、浦田君も座ってるし



「なにか案がある人いますか??」


美桜がみんなに問いかける。



この子ほんとに行動力とコミュ力高いな…



「はいはい!メイド喫茶!」


ざわつく教室の中で勢いよく手を挙げて発言したのは、お調子者代表山下くん。


「それって山下が女子のメイド服みたいだけでしょー?」


「まぁな!」

その女子の発言に山下くんは笑って頷く。


「でもさ、男子は執事服きたらいいんじゃない?」


「え!めっちゃいいじゃん!」


このクラスめっちゃ纏まってんな…
私は絶対メイド服とか着たくないけど


話はどんどん進んでメイド喫茶の方向で固まりつつある。


よし。こうなったら絶対裏方に徹しよう


「じゃメイド執事喫茶で決まりでいいすか?」


「はーい」
「異議なし」
「賛成!」


口々に聞こえる同意の声に、うちのクラスの出し物はすんなり決まった。


「あ。ちなみに、武島は男子の実行委員兼クラス委員長な。」


「はい?!」


原田先生の唐突の爆弾発言に武島くんは目を見開いたまま、固まっている。


「この調子じゃ男子だけ決まりそうにないからもう武島がやってくれ」


「えー…最悪だわ」


武島くんは私に向かってそう言いながら席に着くので、私は苦笑いを返す。
彼の落ち込みようは一目瞭然だったが、周りは大爆笑で彼を持ち上げていた。