朧月に酔う

「ねえ。」

彼女がこちらに向き直って話し始める。

「ん?」

「ずっと、好きだった。」

「…え、ちょっと」

「でも何で、あんたはずっと黙ってるの?私ばっかり話してるじゃん。」

「いや何が」


「あんた、 結婚 するんでしょ?」


サッと血の気が引いた。

「え?いや」

「ちがうの?」

見慣れない彼女の強い目だった。その目に嘘をつくことは、どうしても出来なかった。

「おま、何で知ってんの。」

「何でもいいでしょ。何で言ってくれなかったの?」