朧月に酔う

「もう、会えないね。」

彼女は僕とは目を合わせずに言う。

「ああ、うん。」

アルコールは呑んでいない筈だが、どうも頭が回らなかった。

「今まで、ごめん。」

回らない頭を必死に働かせ、何を言うべきか考えた結果の言葉だった。

「ううん、こちらこそ黙っててごめん。」

「本来謝るべきは俺じゃないと思うけどな。」

僕がそう返せば彼女は黙ってしまった。僕は呆然としつつも何とか荷物をまとめて部屋を出ようと思い

「じゃあ」

とドアに手をかける。