朧月に酔う

「あー…」

一呼吸置いて、もう一度僕は口を開く。


「まあ、付き合ってはないよな。」


自然と後ろめたさを孕んでしまった僕の声色に、彼女は

「そっか。そうだよね。」

と、無理矢理作ったような笑顔を顔に貼り付けて応える。

先程よりも重たい空気が漂った。

空気を読まずに朧月の光は、相変わらずベランダに優しく差し込む。

僕もその空気を打破するかのように、明るく彼女に問う。

「どうしたの、いきなり。」

彼女は灰皿替わりの空の缶コーヒーに煙草を押し付けた。