朧月に酔う

醜くて、歪んだ、遠回りの愛の副産物は
一生消えない傷跡であることに間違いはない。

足音の響く階段を降りてすぐ、スーツを着た高身長の男とすれ違ってすぐ、ドンドンと響く足音が背後から聞こえた。

街灯が疎らな帰り路をのっそりと歩き、彼女のベランダに煙草を忘れたことに気付いて、コンビニへ向かった。

頬を撫でる秋風は、ベランダで感じたものよりも一層冷たく感じる。くしゃっと足元で鳴った落ち葉の音に虚しくなった。

深夜の開いた瞳孔には眩しすぎるコンビニを後にした僕は、

彼女の連絡先を消した。

それから結婚相手からの

「今、何してるんですか?」

の連絡に、

「僕は今コンビニに居ますよ。」

と返して、買った煙草を一本吹かす。

いつの間にか、僕の頬は濡れていた。