朧月に酔う

僕の脆くて、裸なんかよりも見られたくなくて隠したかった部分がさらけ出されたような気分だ。

「言いたくなかったからだよ。」

「何でよ、私は言ったのに!」

「俺だってお前のこと好きだったから言わなかった。これで納得か?」

彼女の顔が頬を打たれたように歪んだ。

「俺も事情あっての結婚だよ。後には引けないんだ。」

彼女の目から大きな雫が溢れる。その空気に僕は潰されてしまいそうで、もう彼女の目を見ることが出来ない。

「ごめん、ずっと好きだった。でももう会えない。幸せになれよ。」

早口にそう言い残し玄関を出ても、当たり前だが彼女は追ってこなかった。