こんな失礼なこと、あってはならない。慌ててアンが飛び起きると、ジャラリと金属音がした。よく見ると、自分の手足が鎖によって拘束されている。

「ルーサー様!シャノン!」

アンは訳がわからなくなり、二人を呼ぶ。するとガチャリとドアが開いて二人が姿を見せた。その顔はとても幸せそうな顔だ。

「やっと起きたんだね。もう夜中だよ」

「遅いですが、夕食をお持ち致しましょうか?」

ニコニコと微笑みながら近づいてくる二人に、アンは恐怖心を覚える。二人から逃げようと後ずさるが鎖をルーサーに引っ張られ、ベッドの上で転んでしまった。

「な、何をするつもりですか!?」

震えるアンをシャノンが「怖がらないでください」と抱き締める。その声は恋人に話しかけているかのような甘いものだ。ルーサーも優しい目で頭を撫でてくる。そう、恋人にするような愛おしいげな目で。

「この部屋、気に入ってくれた?アンが好きそうな家具を揃えたんだけど」

「アンお嬢様の好みのドレスも揃えましたので、ご安心ください」