サンタクロースに恋をした

 その中に、見つけてしまった。私の元彼の姿を。彼を見ていると目が合う。

 あいつの目が私を捉えている。大嫌いなその目。キモチワルイ。

「平川?」

 安藤に呼ばれてはっと我に返った。

「あ、えっと、なんでもない」

 今まで1度も見かけたことなかったのに。ていうか、なんで近づいて来てるの?

 私とあいつの距離がだんだん短くなって、目の前に現れる。そして私の前で歩みを止めた。

「おー、平川、久しぶり」

 耳障りな声。クリスマスの時に言われた台詞が蘇ってくる。なんで、無視すればいいじゃん。

 知らないふり、すればいいじゃん。

「あ、はは。久しぶり」

 でも、この動揺を知られたくなくて、なるべく笑顔を作って返事をする。だけどその時。

「ちょっと、那美に話しかけないでよ」

 私とあいつの間に、莉子が壁になってくれた。

「え、なに? まだ許してくれないの? もう2年も経ってるのに。元彼の中の1人ってだけでしょ、俺の存在なんて」

 なんでそんなに軽い言葉であの時のことを言うの? 私は未だに引きずってるのに。私の方がおかしいの?