サンタクロースに恋をした

「ってわけなんだけど、美味しい苺大福知らない?」

 渉先輩が過去にされたことや顔のことはもちろん莉子には言わないで、彼女と別れたこととハンカチのお礼をしたいから苺大福が好きな渉先輩に苺大福をあげたい、ということだけを伝えた。

 莉子は「んー……」と言いながら斜め上を見ながらぶつぶつと声を出して考えている。

 莉子の頭の中の苺大福ネットワークを駆使して、美味しい苺大福を探してくれているんだろう。

「お礼なんて要らないんじゃね? もう2年も経つんだろ?」

 莉子が脳内検索をしている間に安藤がまた今日も口を挟んでくる。

「だからさ、なんでいつも盗み聞きするわけ?」

 しかも、それはとても自然で、まるでずっと私たちと会話をしていたかのように。 

「だから、聞こえてくるんだって言ってんだろ?」

 確かに、隣の席だから聞こえるのは仕方ないけれど。

「じゃあ耳栓でもすれば?」
「はあ?」

 いや、なんでそこでそんな返事?

 そんなやりとりをしていると、莉子がようやく声を出した。