サンタクロースに恋をした

 部活の時、梨衣名先輩は前触れもなく私に質問をしてきた。

「ねえねえ、那美ちゃんってもしかして、渉のこと好きなの?」

 ゼリーに入れるフルーツを淡々と切っている手が一瞬止まる。

 す、好きだなんて、そんなおこがましいこと……。

「えっ……いや、あの……」

 言葉では否定するけれど、体は正直で。

「可愛い、顔赤くなってる」

 好きなのかどうか聞かれると、確かに好きという感情は存在するけれど、でも…………今彼は他の人の恋人で、私が入られる隙間なんてどこにもない。

「渉、フラれたらしいのよ。この前の予言通り。まあ、そもそもあまり彼女と続いたことないんだけどね」
「えっ、そうなんですか?」

 それはまさかの展開で。それよりも……。

「長続きしないって……渉先輩、飽きっぽいとかですか?」

 なんとなく人に興味がなさそうな感じだったから、恋人が出来てもあまり感情を持たないのかなとこの前思った。

 私だったら、好きな人と1日でも長くいたいって思うけれど。