サンタクロースに恋をした

 クリスマスイブ。
 料理部の皆で再び先輩の家に訪れる。

「苺大福、買ってきたの?」
「もちろん」

 莉子は相変わらず、苺大福には目がない。今日はクリスマスイブだというのに、本当に苺大福を買ってきた。

「今日は普通ショートケーキだろ」
「頭かちかちよね、安藤って」
「いや、それは時藤だろ」

 安藤はあれから、いつものように私に接してくれる。ただ、少し変わったことといえば。

「安藤くん、私ケーキ持ってきたよ」
「おっ、さすが丸川さん」

 2人の仲が縮まってきたような、そうじゃないような、ということ。

 丸川さんはあのあと、何度も何度も私のところに来て謝ってくれた。それは多分莉子の心にも響いて、今はまた皆で普通に話をすることが出来ている。

「あー、皆っ、お待たせしてごめんね」

 相変わらず奇麗な先輩は、今日はなんとサンタクロースの格好をしていた。

「さあさあ、入りましょっ」
「お邪魔します」

 中に入るとクリスマスツリーが出迎えてくれて、リビングに来るとクリスマスの装飾が施されている。

「はい、皆もこれしてね。あ、渉も」

 先輩は私の隣に立つと手をぎゅっと握ってきた。温かい先輩の手に、口元が緩む。

 梨衣名先輩から渡されたトナカイの耳を頭につけて、クラッカーを1人1つ持つ。

「さあ、メリークリスマスっ」
「「「メリークリスマス!」」」