−守人side−

数日前

かなり寒さが本格化してきた。
俺はここ毎日どんより模様の空を眺めながら自分の机で頬杖をついていた。
前の席の頼がクルッと振り返る。

頼『ねぇ!しゅうちゃん!』
机をバンバン叩きながら興奮している。

『なんだよ。』
俺は冷たい視線を向ける。

頼『カレンダーを見て!』
そう言って教室の前の壁に貼ってあるカレンダーを指差す。

『カレンダー?何で?』
俺はカレンダーに目をやるが特に何も浮かばない。

頼『はぁ。だからしゅうちゃん駄目なんだよ。12月といえばクリスマスだろ!』

『あぁ。そういえば。』
俺は毎日の受験勉強でクリスマスの存在をすっかり忘れていた。

頼『真珠子ちゃんとのデートの約束つけたのか?』
頼に言われて俺はハッとした。
今の今まで忘れていたからそんな話一切してなかったのだ。

『してない…。忘れてた・・・。』
俺は一瞬にして冷や汗が流れた。
どうやって誘えば良いのか、見当もつかなかった。

頼『え!まぢで?!高校最後の思い出だよ?!早く言ってこい!』
頼は俺の肩をビシッと叩き急かしてくる。

『いやぁ。今更なんて誘えば…。どこに行くとかも。俺ら学校の行き帰りしか一緒に行動してないし。』

頼『はぁ?!!デートの一回もしたこと無いの?』
俺は物凄い辱めに合ってる気がしたがコクッと頷いた。

頼は深いため息をつくと、
頼『わかった!んじゃあ、そんなしゅうちゃんと真珠子ちゃんの為に俺が人肌脱いでやる!』
そう言って何故か伊藤さんのところへかけていった。

(あー!!!完全に忘れていた・・・。)