12月24日

今日はクリスマスイヴだ。
私と守人、白路君に真理亜と今野は町から少し離れた遊園地に来ていた。
ちょっと前に皆でクリスマスの思い出作ろう!ということになったのだ。

真理亜『キター!』
真理亜が遊園地の門をくぐったところで両手を広げ叫んだ。

白路君『遊ぶぜー!』

今野『高校生活最後ー!』
白路君と今野もはしゃいでいる。

私はというと…。
こんな所に来るのも初めて、ましてやこんな大人数で…。緊張してモジモジしていた。
隣を見ると三人を見て守人が笑っている。

守人『アハハハ。はしゃぎ過ぎだし〜。』
今日の守人は学校の制服ではない。
上は黒のタートルネックにジャケット、
下は暗い色のジーンズだった。
しかも髪の毛は学校ではサラサラヘアーだったのに今日はワックスで無造作ヘアーにセットしている。
私にはいつもの何倍もカッコよくみえた。

それに対して私はというと。
朝から真理亜に化粧をしてもらい、
髪の毛もコテで巻いてもらった。
格好は上がチェックシャツにコート、下はショートパンツ、黒ストッキングにモコモコのブーツ。
完全にきせかえ人形のようにすべてのコーデを真理亜に任せた。
真理亜はかわいい!っと言ってくれたがいつもの私とはかけ離れていてどうにも落ち着かない。

緊張でガチガチに固まった私を見て気がついたのか守人が『どした?真珠子。』と声をかけてきた。
私はというと、守人の優しい顔がこちらを向いていると思うだけで更に硬直。

『な、なんでもない!』
手をブンブン降って緊張を隠す私を見て守人が笑った。

守人『アハハハ。真珠子って面白いね。』
自分の顔が熱くなるのがわかった。

(恥ずかしすぎる!顔みれないよぉ。)

そんなやり取りを見ていたのか真理亜が私の背中をビシッと叩く。

真理亜『何緊張してんの!そんなんでこの後どーすんの!』
ご指摘の通り。
真理亜は無理やり私と肩を組みそのまま中へと進んでいく。

(はぁ。先が思いやられる。)