私は大急ぎで支度を済ませ学校に向かった。
ママが後ろで何か言っていたが急ぎすぎて聞こえなかった。

学校の前まで来たところで時計をみる。
いつも通りの時刻より五分ほど過ぎた程度で済んだ。

『よかった~。』
ふと安堵した所で校門の所で男性が立っている。
それを見つけた瞬間今度は緊張が迫ってきた。

(どどどどうしよう。緊張が…。)
昨日晴れてお付き合いに発展した私たちは帰りも駅まで一緒だった。

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『じゃあまた明日ね。』

峰君『うん。』
そう言った峰君の顔が何だか物言いたげだった。

『峰君?どうかした?』

峰君『あのさ!』
やや声を張ったので私はビクッとなる。

『う…うん。』

峰君『俺たち付き合うんだし、その…。』

『その…?』

峰君『お互い下の名前で呼ばない?』
峰君の顔が真っ赤になっている。
それを見た私も顔が熱くなるのを感じた。

『う、うん。そ、そうだね。』
めちゃめちゃ恥ずかしい。鼓動もさっきより更に早くなっているのが分かった。
お互いに言葉が発せぬ時間がほんの少しだけあったが意を決したように峰君が口を開いた。

峰君『じゃ、じゃあ…た、真珠子』

『しゅう…と…。』
私は今野でさえ苗字で精一杯だったので初めて男性の名前を呼んだ。
初めての感覚だ。

『『えへへへ///』』
思わずお互い照れ隠しから笑いがもれる。
その後、守人が続けて言った。

守人『明日朝校門で待ってるから。教室まで一緒に行こう。』

『うん!分かった!』

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