−文化祭当日−

クラスの皆で店番の順番を決め、私と真理亜は最後になった。
時間があるので二人で校内を回ることにした。
秋祭りには他校の生徒も来る。出会いの場として期待を寄せてる生徒が凄く多い。
私と真理亜は毎年そんな事には興味も示さず来た。
だが私は今年に限っては何となく違う気持ちだった。
(こうやってみると、色んな人がいるんだな。初めて周りをちゃんと見た。)

そんな事を考えていると後ろから違う制服の男子生徒に声をかけられた。

『あのー。すみません。』
私と真理亜はキョトンとする。
『凄く気になってしまって…。出来たらライン交換しませんか?』

真理亜『え?!』
『え。いや…。』
完全にその男子生徒は真理亜ではなく私を見ている。

『あ、やっぱり彼氏さんいますよね?失礼しました!』
そう言って男子生徒は深々と頭をさげて去っていった。

『え、いやあの…!』
私がそこまで言った所で真理亜が私の肩を掴む。

真理亜『やっぱり真珠子かわいいからモテるね〜。でもだめよ!貴方にはいるでしょ?』
そう言って少し前の方を顎で示してきた。

私がその方向に目をやると、物凄く不機嫌そうな峰君と、バツが悪そうな顔をした白路君がいた。
私は物凄い気まずさを感じその場から後ずさりした。