−次の日−

授業が終わり文化祭の準備を進めていた。
昨日残っていた人数より今日は少なく静かだった。

真理亜『ちょっと飲み物かってくるわ。真珠子行く?』

『私はいいや!』
今月は余りお金に余裕が無いので今日は我慢することにした。
気がつくと私一人教室にいた。
今日は予定があったのか今野も帰った。

(なんか、寂しいな。)



数分が過ぎ、私は集中して作業していた。
すると急にほっぺに温かいものがくっついた。
『へっ!!』
私はびっくりして変な声が出る。
振り向くとそこには真後ろに峰君がミルクティーを持っていた。

峰君『飲む?』

『えっと…。』
私が答えに困っていると峰君が
『はい。』っと言って押し付けてきた。

『あ…ありがとう。』
凄く温かいミルクティーだった。

峰君『んで、看板はどう?』
そう言って峰君が私の顔のすぐ横に顔を近づけてくる。

(ち、近い…!)
私は心臓が大きく脈打っているのがわかる。そんなのに気づいているのか、いないのか分からないけど更に峰君は私の肩に手を置く。

峰君『すごいね。これ全部描いたの?』

『う、うん。』

峰君『天才!これなら即完売だね!』
そう言って峰君は肩をポンッとしてきた。

『そんな…。ありがと…。』
(そういえば、いつの間にか敬語じゃなくなった。)
私はそんな事を思った。
峰君は何かの香水をつけているのか凄く清潔な香りがした。

(良い香り…)
気がつくと私は峰君の方を見つめていた。
それに気がついたのか峰君がこちらを向いたので物凄く顔が近くなる。

峰君『そんなに見られたら…。俺…理性、飛びそう。』
その言葉を聞いた瞬間私は我にかえってとんでもない状況に気がついた。

『え!ちょっ!』
そう言って離れようとした瞬間、峰君に手を掴まれて動けなくなった。

峰『ねぇ…。』顔が更に近づく…。
その瞬間ドアが思いっきり開き
『ちょっとまったー!!そこまで!』
真理亜がそう言って入って来た。

その後ろから白路君が
『はーい。離れようね〜』
私と峰君の間に入ってくる。
峰君は物凄く顔が真っ赤になっていた。

私も放心状態。
頭が完全にフリーズ。あの体育の時を思い出した。

気がつくと真理亜が『よしよ〜し!』
と言って私の背中を撫ぜてくれていた。
ドアの方を見ると白路君が峰君を廊下に連れて行くところだった。

(今のは…何?!)