長い夏休みが終わった。
教室へ入ると皆の視線が一斉に私に向けられた。

『え…。誰?』
『あれ、三木さんだよ。』
『うそ!めちゃ痩せてる…。』
『可愛くなってる!!』
皆が口々にそんな事を話しているのが聞こえたが私は下を向いたまま席についた。

(は、恥ずかしすぎる。)

真理亜『皆の注目の的だね。』
『うん…。恥ずかしすぎるんですけど…。』
真理亜『大丈夫だよ。そのうち慣れるよ。最初だけ皆もびっくりするけど。』
そんな事を話していると後ろから今野の声が聞こえてきた。

今野『おはよ…。』
物凄く小さな声で言った。
『おは…よ。』
私も物凄く気まずい感じになってしまう。
真理亜『どしたのー?二人して湿気た面して。』
真理亜が二人の肩を叩く。
私は真理亜に相談するべきか悩んでいてまだ話せていない。まさか二人がそんな気まずい状況になっているなんて思ってもないだろう。

そんな事をやっていたら今度は白路君の声が聞こえてきた。
『おっはよ〜!』
今日も凄く元気だ。
『おはようございます。』
その後ろからいつものように丁寧な挨拶。
峰君だ。
私は今度あのバーベキューの時の峰君との出来事を思い出して顔が熱くなる。

(もう〜…なんなのよぉ。)

顔を両手で覆っていると真理亜が不思議そうに『なに。どうしたの!』と言ってくる。

顔を覆いながらも斜め後ろを向くと峰君とバッチリ目があった。
峰君がおはようと口パクで言いながら手を降ってくる。
(おはよ〜。(T_T))
私は心の忙しさについて行けず…。
軽く会釈をした。

(もうどうなっちゃうの〜二学期そうそう〜)