家に帰っても私は頭が整理できていなかった。
ふとベッドから窓の外を見るとその日は満点の星空だった。

(ちょっと息苦しいな…。)

そう思った私は窓を開けて少し身を乗り出した。

『ふぅーーーー。』

深く深呼吸をしたら凄く生ぬるい空気が入ってきた。
でも、頭の中が少し整理された気がした。
今野とは一年の時からずっと家庭科部で一緒だった。
けどほんの一回もそんな風に見たことも無かった。元々そんな事を考えた事も経験したこともなかったけど…。
私の見た目がどんなに醜くても中身を見てくれていたんだ。
走馬灯のように今野の顔が頭を巡ってくる。

今野は少し細身で小さめだ。
168cmくらいかな。私からしたら大きい。
茶髪のサラサラヘアーで黒縁メガネだ。
いつもシャツのボタンを一番上までしめていて優等生だ。
頭も私よりもうんと良くて、運動神経も凄く良い。
でもどんなに運動神経良くても運動部に入らないのは心臓が生まれつき弱いからだそうだ。
家庭科部で一緒に課題をやった時も凄く繊細な指先をしていていつも助けられる。
私が悩んでいるといつも気にかけてくれていた。この前の騒動のときも…。

そんな事を考えていたら体が冷えているのに気がついた。
『さむっ!』
窓を占めてその日は考えるのをやめて寝ることにした。