ドキドキしっぱなしのバーベキューが終わり、今野と帰りの道を歩いていた。
真理亜は用事があるとの事でちょっと早めに帰った。


少し歩くと流れ川が見えてきた。
もう夜になり川と虫の音だけがする。

今野『真珠子さ。』

『うん?』

今野『峰の事どう思ってるの?』
そんな事を聞かれると思ってなかったので少しフリーズ。

『えっと…どうって言われても。』
少し前の事件でそう思われても仕方ないとは思っていた。

『私人を好きになったことが無いから…いまいち腑に落ちて無いんだけど…峰君が近くに来ると凄くドキドキする。好きになっているのかな。』

今野『そっか。それは…恋だね。きっと。でも…。』
そう言った今野が歩くのをやめた。
突然止まったので私は振り向く形になった。

『今野…?』
今野が下を向いて唇をギュッとしたのが分かった。
そして顔を上げた。

今野『でも…そこの選択肢に俺は入らないかな。』
今野が言っている意味がわからない。

『え?』

今野『だから、まだその二人の間に俺がは入る…真珠子が俺を好きになってくれるという選択肢に並べないかな?って…。』

『何いってんの?』

今野『俺は…アイツが、峰が転校してくる前よりお前が好きだった。』

『え……。』

今野『俺は側に居られればそれでよかった。でも峰が現れてから真珠子が離れていっちゃう気がして…。俺は真珠子を家庭科部でずっと見てきた。峰より真珠子を沢山知ってるのに…。』
そう言って又下を向いてしまった。

しばらく沈黙が続いたあと、今野が又口を開いた。
今野『俺、頑張るから。峰に負けないくらいの男になってやるから!だからもう少し時間くれ!』

『今野…。』
私は今野をそんな風に見た事が無い。
だから『うん。』なんて簡単に言えなかった。

今野は『じゃあ、又学校でな!』
そう言って自分の家の方に去っていった。

取り残された私はしばらく呆然とそこに立っていた。