数時間が過ぎると三木さんは庭の端にあるブランコへ一人で行ってしまった。

伊藤さん『ねえ。ちょっと真珠子疲れたみたい。声かけてあげて。あまりこうやって人と関わってこなかったから。』
伊藤さんにそう言われ心臓が跳ね上がった。

頼『おい。行ってこいって。ほら。』
そう言って背中をドンッと押された。

(うわぁ…。何で俺なの…?)


近づいていくと三木さんが軽くブランコを揺らしている。
白いワンピースが風で揺れている。
俺は深呼吸をしてから話しかけた。


『三木さん。』
『少し疲れたかな。』
これくらいしか出てこない。
三木さんは正面を向いている。
横からみても白い肌でほっぺが少し赤くなり可愛いと思う。白いワンピースも似合っているし。
そんな事を考えていたら風で三木さんの顔が見えなくなった。
俺は…。
無意識のうちにその髪を耳へかけ、
『凄く可愛い…。』そんな事を口走っていた。


恥ずかし過ぎて顔が熱くなる。
『おーい!焼けたぜぇー!』
今野がナイスタイミングで呼んでくれた。

ふと見下ろすと三木さんがこちらを見ている。凄く可愛い。心臓が握りつぶされそうだ。
気がつくと『真珠子ちゃん行こ!』
そう言って俺は三木さんの手を掴み引き寄せていた。
俺の胸までしか無い身長。
このまま抱きしめてしまいそうだ。
だが、とっさに我にかえり歩き出す。

顔が熱い。
(俺は…。真珠子ちゃんって。手まで握ってしまった…。)


穴があったら入りたい。とはこの事なのだろう。