その日の帰り道、私はいつものように真理亜と、トボトボ歩いていた。
コンビニでタピオカミルクティーを買い、少し歩いたところで近くの土手が見えてきた。

真理亜『あー。こうやってゆっくり真珠子と帰れるのは久々かもね〜』

『そうだねぇ…最近は何だか色々ありすぎたからね』

真理亜『ちょっと土手で喋って行こうよ』

『そうだね!』

私達の街には大きな【流れ川】という川がある。小さい頃からよく遊んだ馴染みの川だ。
よく真理亜とここに来て話したりもした。喧嘩をしたときもここで仲直りをした。

二人で土手にゴロンと横になり空を見上げると、綺麗な夕焼けの空と水の音、電車の音も聞こえてきた。


真理亜『はぁー。』
と一息ついてから真理亜が唐突に訪ねてきた。
真理亜『んで?峰君とはその後どうなの?』

『え!いや、別に…』
いきなり聞かれて口篭ってしまった。
そういえば昨日から喋っていない。なんか…話しづらくなってしまったような気がしていた。

『話すこともないし。得には…』

真理亜『はぁ?!!!何言ってんの?』
突然大きな声を出すからビクッとなる。

真理亜『私は昨日の峰君の言葉を聞いて、真珠子の事を大事に思ってくれてるんだって思ったよ?』
頭の中にあの峰君の声が蘇ってきた。

『あぁ。でもあれは、好きと違うでしょ』

真理亜がいきなりムクッと起き上がり私の肩をコレでもかというくらいの力でひっぱたく。
ビシッ!

『痛っ!!』

真理亜『そんなことばっかり言ってるからいつまでも進展しないんでしょ!いい加減自分の方からも動きなさいよ!』

なんか…怒られた。


『動くって。こんな体型…』
と言いかけたところでこの前の夢の事を思い出した。
【殻】

【それじゃ、だめだよ。殻をやぶらなきゃ】
そうかいてあった。

自分に自信がないのも今までの自分の結果。これからの結果も自分次第。

私は決意した。

『そうだよね。私自分磨きしてみる。』
それを聞いた真理亜が目を大きくして
『それだ!やろう!私も協力するから!』
と意気揚々と言ってきた。

『うん、私がんばる!』

そして私達はハイタッチを交した。