−次の日−

真理亜と一緒に教室に入ると何やら騒がしい。それもそのはず…あの大人気動画配信者が白路君だったのだから。
あちこちから、
『ねぇ、昨日のやつ見た?!』
『みたみたー!』
『まさか、白路だとは思わなかった』
『サインほしいな』
などと聞こえてくる。

勿論それだけではなく、私達の一連の事件の事も話す声がする。

『巳子ちゃんが、あんな人だったなんて』
『恐怖映像だったな』
『三木さんは峰が好きなんだね』
『うまくいくのかなー?』
など良い事も悪いことも言いたい放題。

私達はもはや聞こえないふりをして過ごした。
それは峰君達も一緒らしく、何を聞かれても答えないようにしていた。


そして、巳子さんは退学申請を出したとの事だった。
あの動画配信サービスはうちの学校の先生達も見ている。
巳子さんはすべての目に耐えられなかったらしい。

まぁ、それだけの事をされたのだが…。





教室で真理亜と喋っていると後ろの今野が話しかけてきた。
今野『よぉ!俺の知らないところであんな事になってたなんて思わなかったよ。』
真理亜『ごめんね、何か話せなくて…』
今野『いや、でもよかったよ。真珠子が無事で…』
『ありがとう。皆のお陰で助かったし乗り越えられた。』

私は本当に感謝でいっぱいだった。
自分の知らない世界がこんなにもあるんだと知れたから。
自分の殻がどれだけ厚いのかもわかった。
まだ全部は破れないけど少しずつ変わっていけるような気がしていた。