『み〜ちゃったみちゃった〜』手をヒラヒラさせて頼が出ていく。
女『誰だお前。なんでここにいる。』
頼『それ写真だよね。誰の?それに黒板も…』
と指を指す。
女は急いで消そうとする。
が手が滑って黒板消しが吹き飛んだ。
二人の男は見たことがない。
恐らく下級生だろう。
頼『君たち何年生?こんなことして大丈夫?』
男の一人が
『うるせぇよ。お前には関係ないだろ。』
もう一人はズカズカ頼の方へ寄ってきて殴りかかってきた。
が残念。
頼は柔道の上級者。
詳しくは知らないが昔おじいさんに教えてもらったらしい。
相手の拳を片手でパシッと止めるとそのまま背負投みたいな格好で吹き飛ばした。
それを見てもう一人の男も殴りかかってきたが同じ容量で投げ飛ばされた。
(ご愁傷さまでした。)
そう思った所で俺と伊藤さんも出ていく事にした。
電気をつけやっと思い出した。
(浦本 巳子だ。)
浦本『お前たちなんでここに…』
頼『おやおやぁ?そんな口の聞き方するんですね。学年一モテる浦本巳子ちゃん』
そこでようやく様子が変だった伊藤さんが口を開いた。
『なんで…ねえ。なんでなの。なんで…巳子が…』
崩れおちそうになるのを俺はとっさに支えた。
浦本『アンタのせいよ。アンタが私にあんな事をさせなければこんな事には!』
そう怒鳴ってきた。
頼と俺は訳がわからなかった。
そこで崩れそうになりながら伊藤さんが口を開く。
『私のせいだ。この間峰くんに告白してほしいって頼んだのは私なの。』
『え。なんで?!』
『実はね、真珠子は峰くんの事想っているの。でもあの子は好きな人出来たことないからその感情自体が理解できない。だから峰くんに他の女を近づかせてどう反応するかみたの。結果的に真珠子は自分の感情に気づくことができた。それでよかった。なのに…』
浦本『そうよ。この女は私を利用したのよ。私も勿論承諾した。でもまさかこの私の相手があのデブ女なんて!私のプライドもズタズタよ!』
『ごめんなさい…』そう言って伊藤さんは完全に崩れ落ちた。
頼『お前は相手が三木ちゃんだとわかった瞬間に絶対に負けたくないと思ったんだろ。』
浦本『そうよ!あんな豚女に負けたくないわ!それに…あんな女に彼氏なんて…豚に真珠よ!』
そう言って笑った。
その瞬間何かが俺の中で切れた。
『調子に乗るのも大概にしろよ!!!』
俺は机を思いっきり蹴っ飛ばして怒鳴った。
皆は俺がこんなに怒る姿を見たことがない。
キョトンとしている。
『お前みたいな外見ばっかで中身がクソ女と誰が付き合うかよ!三木さんは芯が強くて優しい子だ!お前なんかと比べられるような人じゃないんだよ!』
そう言って浦本巳子を睨みつけた。