−峰side−
体育の授業。
俺の好きなバスケだ。
隣で頼がおたけびをあげながら応援をしている。
『いけー!!!ナイッシュー!!』


反対のコートでは女子が試合をしている。
ふと一人の子に目が留まる。
最近やっと挨拶するまで進展した三木さんだ。

三木さんは丸っこくて可愛らしい子だ。
俺は転校してきた時から彼女が何故か気になった。
少し前の体育の授業の時に距離を縮めようとして失敗した…。
でもその後、頼が色々助けてくれて今に至る。

(本当はもっと話したりしたいんだけどな…)
そんな事を考えていたら、隣の頼が、
『しゅうちゃ~ん、どこ見てるの~?』
わざとらしい…
最近ずっとこうだ。
俺が三木さんの事気にかかってるのもしっている。
だからわざとからかってくる。

(めんどくさい奴だ…)
俺が無言でそっぽを向くと頼が、
『あー!ごめぇん!怒らないで~しゅうちゃ~ん』
泣きついてきた。
俺が不機嫌になると無言になるのを知っているからだろう。
本当にお調子者で猫みたいなやつ。憎めないタイプだ。

すると目をそらしているうちに反対のコートが騒がしくなった。
みると三木さんが顔面を抑えてうずくまっている。

思わず『え。三木さん何が…』
声に出てしまう。
頼『顔面にボールが当たったっぽい。』
『え。大丈夫か?』

反対側では伊藤さんが三木さんを支えながら保健室へと向かって行った。

頼『真利亜ちゃんが付いているから大丈夫でしょ。』
『だといいけどな…』

俺は不安でしか無かった。