真珠子『行ってらっしゃい。』
そう言って真珠子は俺を見上げた。
『え・・・。』
俺は言葉がでない。
真珠子『だってしょうがないじゃん。守人の為に言ってるお父さんの気持ちもわかるし、それに・・・。』
『それに・・・?』
真珠子『それに、帰って来た時は今よりも素敵な人になっているんでしょ?』
真珠子は今にも泣きそうな顔で見上げてくる。
『う、うん。』
真珠子『なら応援する。私は大丈夫!だって皆がいるもん!』
そう言って前に向き直る。
きっと涙を見せないようにしているのだろう。
そんな健気な姿をみて俺は思わず後ろから抱きしめた。
ギュッ
『俺、絶対今よりいい男になって帰ってくるから。だから待ってて。』
そう言って強く抱きしめる。
真珠子『うん。絶対だよ?私待ってるからね。』
声を詰まらせながらそう言った。
(俺は絶対にお前を放さない。)
俺は自分にそう誓った。
