いつもは簡単にひく爺が今日は何故かひかなかった。
そして真ん中のローテーブルに二人で向き合う形で座る事に…。

『爺。今日は俺疲れてて…。』
俺は懇願するように言う。

爺『そんな守人様にはこのルイボスティーがぴったりですよ。』
この爺さんは人の話聞いているのだろうか。ちょっとイライラしながらルイボスティーに手を伸ばした。
カップを持ち口の前まで近づけた瞬間、何故か懐かしい匂いがした。

『何か…。この匂い…。』
そう言って爺を見た。

爺『思い出しましたか?守人様。』
爺は垂れ下がった白い眉の下にある目を更に細めにこやかに言った。