頼に励まされて俺は家に帰ってきた。
本当に帰ってきたくなかったが爺に心配かけるのも嫌だった。
玄関を抜けリビングの横を通り抜けると親父が中にいた。ちょっとした隙間だったが目が合ってしまった。

父『おい!守人!』
その声を聞いた瞬間さっきまで落ち着いていた気持ちが又ざわつき始めた。
俺は勢いよく階段を上がり自分の部屋へと向かった。
後ろで親父が待ってと言っていたけど振り向くことは出来なかった。

ーバタンー

自分の部屋へ着いた瞬間物凄い疲れが襲ってきた。

『はぁ…。何か疲れた…。』
その場に倒れ込む。
体中が熱くなっている気がする。
心拍数も早い。
どれだけ気を張っていたのだろうか。
部屋の真ん中で倒れ込んでいると部屋をノックする音が聞こえた。

ーコンコンー

(親父か。しつこい。今日はほっといてほしい。)
無視をすると又ノック。

ーコンコンー

『守人様。わたしです。爺です。』
爺がノックをしていたようだ。

『なに?』
俺はちょっとぶっきらぼうに答えた。

『ルイボスティーお持ちしました。』
いつもは気が利くって思えるのだが今はお節介に感じてしまう。

『ありがとう爺。そこ置いといて。』

…………。
返事がない。
不思議に思い急いで扉を開けた。

ーガチャー

爺『ルイボスティーお持ちしました。少し失礼しますね。』
笑顔で爺が立っていた。

(何なんだよ。)