−真珠子side−
これまでにないくらい全力で駐車場まで走った。
息がうまくできない。
頭の中はぐちゃぐちゃだし、走ったせいなのか分からないけど胸が凄く苦しかった。

(心臓が飛び出るかと思った。凄く怖かった。)

前に話しかけられた日もこうだった。
胸が何だか苦しくなって、何かをこじ開けられているような感覚

(アレルギー反応か…)

これまで殆ど男性と関わって来ない私には免疫がない。
話し方も目の合わせ方も分からない。
それに、自信の無い事をするのって勇気がいるし今まで自分に負荷のかかる事は極力避けてきた。
この丸々太った体もそうだ。
分かってはいても、周りからどんな目で見られても、

【私は私】
【自分の体だし自分が良ければそれでいい】
【誰にも迷惑かけてないんだから…】
そんな信念を貫いて来た。
だから、自分に負荷をかけてくる人間は嫌い。避けるべきだとおもう。
極端な拒絶反応を示していた。

(なんだか凄く疲れた。体も心も。早くお家に帰ろう。

私は足早に家へと向かったのであった。