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ゆっくりと、真っ白すぎる世界を天使さんと歩く。

あまりにも突飛すぎて、まだこの状況を処理しきれなくて、ん、どういうことだ…?と思考回路をフル回転させる。



「直球ですが、なぜ記憶を消したいと願われたのですか?」



本当に直球だな。

そう思いながらも、思い出したくもないあの日常が脳裏に浮かんできた。



「うーん、なんて言っていいのか……虐待を受けてた、って言ったらいいですかね。序に言うといじめも受けてました。その事で、ちょっと……」



そう言ったぼくに、天使さんは目を見開いたかと思うと。



「……なんだか、僕と似てる気がします。」



と、どこか嬉しそうにそういう天使さん。

僕って言った…?

それより似てる気がするって、そこに驚いたぼくはさっきの天使さんのように目を軽く見開いた。