「…やり残したことでもあるんじゃない。未練ってゆーの?そういうのが関係してんじゃないの」
隣に視線を向けると、燈真は空を見上げたまま。
未練、か…。
「どうなんだろう」
未練があったとしても、記憶がなければ意味が無い。
なんて思いながら見る今日の空は、本当に綺麗だ。
「……眩しいな」
なんて、掠れた声が出た。
それは誰の耳にも届かず、奥の方に広がる真っ暗な海に呑まれて消えた。
「…眩しいから、泣いてるの?」
そんな問い掛けに、ハッとした。
さっきから、やけにぼやける視界が気になっていた所ではあったけど。
頬を触ると、僅かに濡れていて。
「……変なの」
なんて言いながら、目の縁に溜まった涙を拭う。
さっきよりもよく見えるようになった視界で隣を見ると、燈真の姿がなくなっていた。
面倒くさいと思われてしまったのかもしれない。
めそめそ泣くのはくそほど可愛い女の子だけでいいと思ったのかも。
あう…大ダメージ。
もうそろそろ戻ろうかと、足を1歩下げた瞬間、
