星奈の別荘に帰り着いた時間は19時前だったというのに、空はまだ明るかった。
コンビニに寄り道をして、アイスやお菓子を買いつつ休憩をしながら辿り着いた別荘。
夕方と言っても外は暑く、みんなお風呂に入りたがっていた。
「じゃんけんぽん!」
「やったやった!勝ったよ一華!」
暑いのにどうしてこう、この子達は熱いことをしたがるんだろうか。
星奈と優が女子と男子、どちらが先に入るかという小学生のような理由で口論していた。
「はぁ?!お前今の遅出しだろ!今のなし!」
「はぁ?負けたくせに何言ってんだか。しかも男が…ねぇ」
「うっ…くそっ、男だから何も言えねぇ…!」
男じゃなかったら言うんだ。
優がたとえ男じゃなかったとしても、星奈には勝てそうにない気がするのはぼくだけだろうか。
「行こ行こ、一華」
星奈はそう言うと一華の手を取り、優を鼻で笑いながらリビングを出ていった。
うわお、強いねぇ〜。