いつもは睨んでしまう太陽でさえ、煌めいて見える。

今のぼく達には、視界に映る物も耳に届く音も、総てが尊かった。

それは、涙が出てしまいそうになるほど。

誰にも縛られないという短期間の幸福。

不意にやってきた生暖かい風は、透けている真っ白なカーテンを柔らかく踊らせた。

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「ごちそうさまでした」



ファストフード店からの帰り道。

みんなが口を揃え、お昼ご飯 兼 晩御飯を奢ってくれた星奈にお礼を言う。



「いやぁ、こんなところで役に立つとは。貯金しててよかった 」



1ヶ月に諭吉さん1枚を貰っていた星奈に驚きつつも、使い所が分からないからと貯金していたお金で全員分を払ってくれた。

お昼は自分たちの荷物の整理で忙しかったみたいで、飲み物しか口にしていなかった。


なので結構、みんなガッツリ食ってた気がする。


因みにぼくは食べてない。美味しそうではあったけれど。

お腹すいてないし。食べなくても餓死するわけでもない。