「それがどうかしたの?」
「あぁ、うん。まだ解散されてないのかなーて。」
ふと、気になったのだ。
「そういえば、高学年くらいになってから勝手に活動休止みたいになってたね」
「そーだな」
高学年くらいになってくると「幼稚」だと思い始めてきたし、両親からは「遊んでないで勉強しろ」ときつく言われていたから。
『恥ずかしくて外に出れないじゃない。』
『お前は一家の恥だ。勉強しなさい。』
一人っ子だと、期待も怒られようも全部俺。
親に囚われる高3なんて、自分でも笑えてくる。
反抗もしないで、ロボットのように言いなりになって。
俺たちの間に沈黙が訪れる。
きっと、今俺らが考えていることは一緒だろう。
だけど、それを俺から言う勇気はない。
だから────────
「活動再開、しちゃう?」
だから、優真が口を開くまで、俺は待つことにした────────。